もうすっかり暑いですねー…夏ですねー…
これから夏本番!暑さが増すに連れて大型のイベント事が増えてきます。
それに伴って増えるのが、そう、周辺地域の渋滞と一定規模以上の小売店における迷惑駐車…(駐車券システムを導入していない場所を前提とします。)
渋滞は致し方ないとして、迷惑駐車に関しては対策がなきにしもあらず。例えば小売店側がイベント主催者に来場者への注意換気をしてもまず効果はありません。
「○○フェスへお越しの方はこちらに駐車しないようにお願いします」
そんな看板を持って駐車場の入り口に立ってる警備員をよく見掛けますが、実感で9割以上の該当者が無視です。仮に一人一人通る方に声掛け・質問しても「大丈夫です」「別の駐車場に停めてます」なぞと返答され、ひどいときには白々しく「ぇ?なんかイベントやってるんですか?」なんて聞いてきます。
そんなもん、表情筋の動きを見れば一目瞭然なのに、警備側にはいかんせん証拠がありません。予算的にも十分な証拠を押さえるだけの人員投入ができないという事情があります。
もし、仮にですよ?本当に迷惑駐車を追い出したいのであれば、完全な防止は無理にしろ、心理的にもっと効果のある対策があるのではないかと考えたわけです。
場所によって、「無断駐車は○万円頂きます」なんて掲示がしてある駐車場がありますね。月極め駐車場の場合によくあります。
正直なところ、判例では掲示板のみによる契約締結の可否の問題がそもそもであり、請求自体が可能としても(よほど都心などでもない限りは)「公序良俗に反する」契約として○万円の支払い命令が降りることはないという実情、駐車場所有者が実際に取れるのは近隣駐車場の料金相場程度です。
一般的に、財産権保護の為に現行犯に対しては「逃走防止」の為の防衛がある程度は正当と認められています。
希望額は取れないにしても、心理的な抑止策としてそれを実行することに意味がないわけではありません。
迷惑駐車に関して、「○時間以上の駐車は駐車料金を頂戴致します」と店舗の入り口に掲示の上、「警備員が周回の上、定期的に巡回・撮影、悪質な場合にはタイヤをロックします」なんて文言を入れればよろしいかと。
「そんなもの知らなかった!」となれば店舗に立ち入っていないと見なすことができ、「ずっと買い物をしていた!」という反論への対策には「領収書を保管願います」との文言を付け加えることで、金額や時間や店舗数など相応のバランスを判断の上で救済策を用意すればよろしいかと。
店舗によっては通常の客層と明らかに異なる車が来ることもあるでしょうから、そういった車を主なターゲットとして何件か捕獲すれば心理的な効果は十分なはず。
ちなみに迷惑駐車の取り締まり自体は管理権の問題上、小売施設側の名前に於いて行う必要があります。イベント主催者側にクレームとして実行を要請するとしても、管理権限のある施設側からの委託要請もしくは代理という形式で行わなければ、主催者側の不法侵入及び器物損壊などの不法行為として損害賠償の対象となりかねません。
ロケーションが都会なのか田舎なのかで状況は大きく異なりますが、特に駐車場にお金を払う習慣のない田舎となると、実行度合によってはお店の評判が死活問題レベルとなります。当然逆恨み的な法的妥当性とは掛け離れたものですが、実際にそうなります。
逆に考えようによってはですが、小売施設側のクレームによって対策を迫られたイベント主催者は、小売施設側に駐車場立ち入りと巡回の許可を取り、協力を申し出るという形で、施設の名においてこのような対策を提案するということも検討の余地があるかとは思われます。
便乗して売上はあげたいけれども買い物以上の駐車は嫌だ、利益増加分は受け取るけれどもイベント来場者の駐車による機会損失分だけイベント側にクレームを入れている、というような場合においては有効な交渉カードの一枚となることでしょう。
…と、先日の某イベント現場にて思い付いたことを書き連ねてみましたが、みなさんの感想はいかがでしょう。
もちろん判例は少ないので確実なことは保証できませんし、個々のケースによって状況は大きく変わるので、実行を検討される場合には細心の注意が必要です。